遠征的自由帳

ライブ、舞台(主にミュージカル)の記録やら旅行記やら タイトルは造語

ケミログ2022年[billboard classics CHEMISTRY Premium Symphonic Concert 2022]東京、大阪公演

◯7月27日 東京 東京文化会館大ホール

[billboard classics CHEMISTRY Premium Symphonic Concert 2022]

 

 オーケストラコンサート、通称オケコンは18年ぶりだったらしい。武道館も最後に立ってから十三年経っていたわけだし、ケミはデビューしてからの五年間でやりたいことは全部一通りやり終えたのかな、と勝手に想像している。それでも再びオケコンをやろうと思ってくれたことは純粋に嬉しい。ケミも嬉しいと思う(勝手な想像) まあ一番喜んでそうなのは松尾さんだと思うが……。

 見た感想は、オーケストラに包み込まれたケミが自由に息をしている、という印象。

 だが実際オーケストラと合わせて歌うというのは相当な技術が必要らしい。オケコンに詳しい人に聞いたのだが、遅れて伝わってくる演奏よりも早めに歌わなくてはいけない。そのため二人は自由に気持ちよく歌っているように見えて、実は大変高度なことを成し遂げていたのだ! ケミってやっぱり天才かも!

 そんなこと聞いたらますますオーケストラとケミの組み合わせ、見たくなるじゃんと、その技術の話を聞いて思っていたらこの翌年もアンコールとしてオケコンが決まった。やったね。

 MCは安定のゆるゆる、というよりやらかしていた。ピアニストの渡辺シュンスケさんを呼ばなくてはいけないところで堂珍さんが「まあそれは後ほど」などと言ってしまい、渡辺さんが危うくステージ上に出て来れなくなるところだった。要さんがフォローをして事なきことを得たが、ソロコンだったらどうしてたのよあんた……。周りが優しい人ばかりでよかったわね。

 

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◯8月7日 大阪 フェスティバルホール

[billboard classics CHEMISTRY Premium Symphonic Concert 2022]

 

 オケコン大阪編である。大学院の夏休みであり実家に戻っていたため、このコンサートは母と一緒に行った。

 この時のスケジュールはアイドル並みの大変さで、コンサートには直接関係ないが記録として残しておく。まずこのライブの前々日の8月5日は私と母、そして母方の祖母の三人で名古屋から新幹線で京都に行き、京都からバスで徳島にある大塚国際美術館へ行った。母と祖母がテレビで特集を見て俄然行きたくなってしまったらしい。行きたくなった、という気軽な気持ちでどこへでも行こうと計画する旅行好きの人たちの家に生まれたからこそ、私はこんなにもホイホイと遠征しているのだな、と血を感じた。

 たくさんの建物の中や絵画のレプリカを楽しみ、再びバスに乗り、今度はホテルのある新神戸へ。新神戸直結のホテルに一泊し、翌日異人館を改装して作ったスタバに行ったりご飯を食べたりし、祖母を名古屋までの新幹線の切符を渡して実家に帰し、私と母は電車で大阪のホテルまで向かった。

 そしてオーケストラコンサート当日である。移動がどれだけ快適だったといっても、一体いくつの都道府県を移動したことか。若干の疲れを感じつつも、おしゃれなホテルのおしゃれな朝ごはんで元気を出し、コンサートへ。

 MCで堂珍さんが何やら早口で話して収集つかなくなりそのまま曲に入っていったところがおもしろくて隣の母と同じタイミングで吹いた。ピアニストの渡辺さんが入ってくるところで、要さんに「ねえ、東京ではね、後ほどって言って困らせてね」とねちねち掘り返されていたが、堂珍さんは「まあそれも特徴ということで……」と締めていた。勝手にまとめすな。

 ちなみにオーケストラとケミの組み合わせはかなり好評で、翌年の2023年にも開催している。毎回「ほあ〜すご〜」という気持ちになり感想が薄くなってしまうのが唯一の難点である。生で聞くに越したことはないのだ。定期的に開催してほしい

 

ここに2022年の音源が入っているのでぜひ

 

 

ケミログ2022年[Life goes on]広島、葛飾、大阪公演 [葉加瀬太郎音楽祭2022] [オフコース・クラシックス・コンサート]

 東京から愛知に帰ってくるバスが途中下車したSAで買ったかりんとうにハマっている。どこのSAだったか名前は覚えていないが、製造元を見ると山梨と書かれているため山梨なんだと思う。「手づくり! ヘルシーごまいっぱいおからのカリントウ」と書かれたそれは、これ以上食べたらなくなると危機感を覚え、1本取ることにすぐ封をするのだがまたすぐに開けてしまう。悪魔のお菓子である。ぜひ食べてみてほしい。

 

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◯5月4日 広島 JMSアステールプラザ 大ホール

[Life goes on]

 このライブは、後述する葛飾のライブと7~8月に開催されたオーケストラコンサートと合わせて、ケミのデビュー日である3月7日に発表された。一気に発表されて慌てて全部カレンダーに打ち込みながら、これくらい余裕がある発表は助かるなあなどと思っていたが、余裕のある発表はこれと、Zeppツアーくらいのもので、他のライブはぎりぎりの発表のことが多く毎度ブチギレている。

 20年経ったいまお互いの地元に戻ってライブをしようという、いわゆる凱旋ライブである。ちなみにタイトルである「Life goes on」はケミの24枚目の同名シングルからとっているものと思われる。シングル初の二人での作詞作曲の楽曲であり、さらに要さんがアップテンポなバージョンの「side K」堂珍さんがバラードなバージョンの「side D」をそれぞれプロデュースしているのだ。この曲はアニメ『西洋骨董洋菓子店』の主題歌であり、Kがオープニング、Dがエンディングになっている。

 余談だが、このside K、sideDという用語はケミクラの中では立ち位置を指す用語として使われており、ライブ前後には「私今回side K側でライブ見るわ」「要さん推してるのにside Dばっかり席引いて困る」といった会話が繰り広げられている。私はどちらも好きなためセンブロを引きたいのだが、これがまあ引けない。運良く引けたりフェス系で真ん中に行けたりする時もあるが、それはそれでどっちを見ていいか迷うという贅沢な悩みが発生。そのため私がマジの真ん中にいる時のライブにこれば、壁掛け時計についている振り子のような細かい動きで両方を見ようとする愚かな姿を観測することができる。

 話を広島のライブに戻す。

 当日入りしようと思っていたのに前々日に広島のローカルテレビに出演が決まり、広島の空いてそうな快活クラブに「テレビ見られる部屋って空いてますか?」と電話。無事に空いていたため部屋を予約をし、その流れでエクスプレス予約で新幹線のチケットを取り、荷物をまとめて新幹線に飛び乗ったのはいい思い出。駅に着いてお好み焼きを買い、初めて降りる快活クラブくらいしかなさそうな駅で降り、お好み焼きを部屋の外で食べ元気をだしてからテレビを直撮りした。直撮りとかやるのいつぶりだったんだろ。

 初めて5列以内の席を手にしていたため、うきうきで会場へ。グッズをいくらか以上買うとポストカードがもらえるキャンペーンをしていたため、グッズ列に並びにいくことに。まだだいぶ早かったため、福岡からきたというお兄さんとずっと話し込んでいた。なんでもデビュー当時からのファンらしく「ファーストアルバムはもう擦り切れるほど聞きましたよ!」と嬉しそうに話していた。こういう出会いは素敵。今も福岡か関西方面のライブに行くとよく挨拶させてもらっている。

 最初の数曲が新潟の対バンの時と同じで「ここは新潟???」になった。また「why」きちゃったのさすがに笑った。堂珍さんの故郷であるため、「side D」バージョンを歌うことは確定であった。この曲が聴けることがどれだけ貴重かについては、このライブが終わって数日後、要さんのファンと会話をする機会が あった時「side Dとかケミのシンガポールファンクラブツアー以来っすよ! 羨ましいっす!」と興奮気味に言われたことで判明。そんなに貴重やったんや。

 この日の堂珍さんは地元だからか、最後のMCで謎のポーズ付きで「もみじまんじゅう!」と声を張り上げていてウケた。なんだったんだよ。もみじまんじゅうの精か?

 広島といえば牡蠣であることは間違いないのだが、この翌々日に東京でもライブ参戦することが決まっていたため、万が一のことを考えて食べるのを控えた。生じゃなかったら早々当たらないってわかってても、万が一のことをどうしても考えてしまう。ライブじゃない時に行くとありえないくらいの量の牡蠣を食べるのに。ちなみに駅前よりも宮島に行った方が牡蠣はでかい。宮島は一見遠そうに見えるが、JRに乗ればすぐなためおすすめである。

 牡蠣の代わり、といってもジャンルが全く違うが、広島に売っているもので一番美味しいと勝手に思っている揚げもみじを駅で売っている全種類を食べてきた。揚げもみじとは、文字通り油で揚げたもみじまんじゅうである。生もみじやら揚げもみじやら、いろんなことをやっているものである。かつては宮島でしか食べられなかったらしいが、数年前から駅前でも販売を始めたらしい。数年前とはいっても私が滝翼のライブで広島に行った2015年には駅で食べられていた気がするのだが。数年前の定義が知りたい。駅の揚げもみじは、こしあん、カスタード、チーズの三種類があり、毎日一種類ずつ食べた。大好きすぎて、2023年に広島に行った時には、お家で作れる揚げもみじキットを実家に買って行くなどした。最高のキット あの揚げもみじが家で食べられるんですよ? 絶対買ってほしい

 

◯5月6日 東京 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

[Life goes on]

 

 要さんといえば葛飾葛飾といえばもんじゃ! ということで、もんじゃを食べるべく押上のソラマチへ行った。いや葛飾行けよ、と思うかもしれないが、なんやかんやあってソラマチへ。

 下町育ちの人間に、月島と浅草のもんじゃはキャベツの切り方が違うと聞いたことがあるが、普通にどっちがどっちか覚えていない。どちらも口の中で噛めば一緒じゃない? と反論したことは少し反省している。ソラマチのもんじゃ屋さんで腹ごしらえをし、いざ葛飾へ。青砥駅という知らない駅で下車し、オタクっぽい人に着いていって会場に無事到着。

 MCでも本人たちが言っていたが、葛飾はとにかく拍手がでかかった。まだ声が出せないライブだったが、出せていたら歓声でかすぎて会場が壊れていたと思う。あまりの拍手のでかさに堂珍さんは「土砂降りの雨みたい! 夏の暑い日に、雨に打たれた感じの」と独特の表現をしていて、独特の世界観で曲を作り続けているだけあるなと思える言葉選びでにちゃにちゃした。

 要さんの「地元最高!」の言い方があまりに輩で、こちらにもにちゃにちゃしてしまった。まじで葛飾(具体的には亀有)総長川畑要って感じが似合いすぎる。

 客席も、広島では「堂珍くんきてくれてありがとうねえ~」って感じの、本人にも似たほわほわな雰囲気が漂っていたが、葛飾は「うおおおおお俺たちのかなめ!!!!!!」というこちらの本人に似た熱い客が多い印象だった。後から聞いた話だが、葛飾はマジで要さんの友人が来まくっていたらしい。そりゃあの雰囲気にもなるか。

 最後のMCでは堂珍さんが「ありがとうございますう⤴︎」と謎に語尾を上げて話しており、それを要さんに指摘され、それを要さんが真似して言うと堂珍さんがきゃっきゃ喜ぶという、謎のあやされが発生していた。自分でやり出したのになんで喜ぶ? かわいいのでヨシ。

 そのMCの中で、九月からのZeppツアーが発表された。帰りの電車の中で速攻でRさんに連絡をし、ファンクラブ最速先行のチケットの申し込みをした。ケミのファンクラブはライブ発表されたその日から申し込みがスタートし申し込み忘れをすることがないため大変助かる。見習ってくれホリ◯ロ。何回忘れたことか。

 普通のオタクはツアーが決まった時「やったー会えるの楽しみ!」と純粋にわくわくしているのだろうが、儚く散っていった二人組を追っていた前世のある限界二人組厨は「2022年下半期も二人が一緒にいられてよかった……各地で楽しい思い出作ってねえ……泣」という感情でぐしゃぐしゃになっていた。

 

 

◯6月5日 東京 明治神宮

[葉加瀬太郎音楽祭2022]

 この日もRさんと一緒であり、あまりに会場が森の中すぎて「もう行きたくないね」「絶対ケミの出演時間終わったら帰ろうね」と約束をし、お互い席へ。

 2列目の最高に見やすい席だった。しかも周りは葉加瀬太郎オタクだらけである。なぜそれがわかったかというと、みんな嬉しそうに葉加瀬太郎の顔面がついたお手製と思われるうちわを手ににこにこしていたのだ。それを仲間同士見せあったり、嬉しそうに眺めていたり振ってみたりと、あまりの平和空間に、ケミファンの私は肩身の狭い思い……をしている場合ではなかったため、タオルを膝に置いて出番を待っていた。ちなみに葉加瀬太郎のソロステージは一番最後であったため見ずに帰った。私の後ろに座っていた葉加瀬太郎のオタクが、私が退いたことにより少しでも見やすくなればいいなと願って退いた。嘘ですあまりに長いからケミの出番終わったから帰っただけです。

 この日は悪天候との噂で確かかなりの確率で雨が降ると予想されていた。しかし風がかなり強いだけで、最後まで雨は降らなかったらしい。らしいとしか言えない。

 ケミ以外の出演者はVaundyだけ気になっており運良くケミの一つ前の出演であったため聞くことができた。ほんわりと人気なことだけは知っていたが、クソデカ会場をいくつもソールドアウトにさせていることを、のちに渋谷駅のでかい広告で知ることになり、そのような広告を見かけるたびにあの時数曲だけでも生で聴けてよかったな、と思ってしまう。

 葉加瀬太郎はVaundyを息子だと思っているらしく、他のアーティストとは一曲ずつのコラボだったのに、Vaundyが出番の時は全曲後ろでヴァイオリンを弾いていた。あまりのハカニ(葉加瀬太郎のオキニ)っぷりに笑ってしまった。葉加瀬太郎に「今年のお正月によかったら家に来なよー誰か連れてきていいよー」って言われたVaundy、自分の母と姉を連れて行き、恋人とか友達じゃなかったため親戚の集まりみたいになったというエピソードがあまりにも微笑ましい。

 このライブであったことは、指差しである。指差し、そんなこと絶対してくれないと思っていたケミからの指差しである。まあ今冷静に考えれば、葉加瀬太郎ファンしかいない前方に自分たちケミのタオルがあったら珍しくて指差ししてしまうのも頷ける。が、この時は自分があの何千席とある客席のなかから見つけてもらえたことに震え、涙し、心の底からケミに感謝した。

 

◯6月30日 東京 武道館

[オフコース・クラシックス・コンサート]

 

 「もう武道館に行くのなんて生涯でないかも」とか言っていたのに全然四ヶ月後にきた。早すぎる復帰である。ちなみに翌年の3月にも大学院の卒業式で武道館に行った。結構カムバックしている。後日上がったこのコンサートのレポにて、自分が全力でケミに手を振っている様子を激写されておりちょっと恥ずかしかった。

 3時間くらいあったのに出演時間が10分くらいしかなくて飽きて帰りそうになった。オフコースの曲って全然知らんし……そんな中でもケミが歌ってくれたのが「言葉にできない」と「秋の気配」という唯一知っている2曲だったため助かった。

 このコンサートは大半のアーティストのことを知らずに見ていたが、唯一ミュージカルによく出演しているシンガーソングライター(この肩書きってまだ有効?)のあっきーさんこと中川晃教さんだけはわかった。終演後、同じ公演を見ていた知り合いから「ひとり動きおもしろい人いたね」と連絡がきて、恐る恐る名前を聞くとあっきーさんだった。あっきーさんが大きめの身振り手振りをしながら歌うのはミュージカルオタクの中では周知の事実であり慣れていたため全く違和感なく見ていたが、初めて見る人はどうやらびっくりしてしまうらしい。まあそんなところがあっきーさんの好きなところでもありますが。

 それにしても武道館の周りってなんであんなにも飲食店がないんでしょう? あるけど、なんかあるけど……という感じ。微妙。だから前のケミ武道館の時はわざわざサントリーホール近くのレストランまで行ったわけですが。あまりに何もなくて隣の隣の駅くらいまで行かないとなんもない 今後少しでも増えるといいですね

 

◯7月14日 大阪 なんばハッチ

[Life goes on 追加公演]

 

 葛飾の凱旋ライブの時に「ご好評につき追加公演が決定しました!」などと言っていたが、葛飾2日前に広島をやっており、その数日前のご好評で追加が決まるのはありえないため開催前には決まっていたんだろうなーなんでそんな嘘つくんだろーと邪推していた。二人の出身地ではないのだが、大阪が凱旋の地であるというのは間違っていない。ケミの二人がASAYAN男子ヴォーカリストオーディションの一次審査を受けたのが大阪だったのだ。

 確かこの時は大学院の発表前とかで、新幹線でかたかたと課題をやりながら大阪に向かっていた。我ながらこの時の自分はよく頑張っていたと思う。

 新大阪に着いてすぐ、しゃぶしゃぶを食べた。家だとあまり食べないのに遠征先ではすこぶるよく食べるという謎。この時のメモを見ると直前までしゃぶしゃぶか無印良品が展開しているMUJIカフェに行くか迷っている、とあった。

 まあこの後MUJIカフェに行ってプリンを食べるのだが。MUJIカフェのプリンはカラメル苦め全体的に硬めが好きな人は絶対にハマるプリンなのでぜひ。

 席が前方だとだいたいヘアメをしてもらうのだが、その日はZeppなんばの方で手越祐也のライブがあったらしく、席に着いて早々「手越ですか?」と聞かれて笑った。まあいかにも手越のところにいそうな見た目してますが……。合わせて眉毛カットもしてもらい、大満足でそろそろ会場行くか、としていたところ、歩きたくない病が発生しタクシーに乗車。一瞬にして会場に着き、ふらふらしていると会場近くを同じくふらふらしているおばさまに遭遇。グッズですかと聞くとどうやら当日券を求めてきたらしい。この日はチケットを買い直しておりチケットが偶然手元に余っていたためそのまま売りつけてしまった。突然現れたヘアメ女を何も疑うことなくチケットを買ってくれてありがとうございました。平日だし席イマイチだしで売れないと思っていたのでよかった。

 この日はMCが大暴走しており、先生と生徒ごっこを始めたケミに大興奮していた。口笛が上手に吹けるかどうかということで盛り上がるアーティストなんてケミくらいしかいないだろ。ありがとうございます

 大阪公演は「Life goes on」はsideDもKも歌ってくれて贅沢なライブだった。両方とも定期的に歌ってほしい

 

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ケミログ2022年[BLUE NOTE TOKYO] [Da-iCE TWO MAN LIVE TOUR 2022 -REVERSi-]

3月17日 東京 ブルーノート東京

[JCB Presents CHEMISTRY Live in BLUE NOTE TOKYO]

 

 キャパ激狭すぎて危うく諦めそうになったライブ。2公演中1公演は先行で取れたのだが、もう1枚は取れずずっともやもやしていた。チケットをもぎ取ったのは忘れもしない、当時付き合っていた恋人との初めての鎌倉デートの朝。

 「15分で終わらせてくるから集合時間遅らせてほしい」と連絡し横浜駅近くのネカフェに籠った。ブルーノートは金額によりシートが細かく分かれており、前方の席は空売りだと予想していたため(実際は知らん、1枚くらいはあったかも)一番後ろっぽい席から攻めたところ、なんなく入手。その後見に行ったら全てバツになっていた。やべえ危なかった。るんるんでデートに繰り出したのは言うまでもない。

 を飲みながらケミを見るという最高のシチュエーションでもはや曲数が少なかったことはどうでもよかった。あの雰囲気で歌う、というだけで贅沢で大満足。2部に関しては一番後ろのボックス席で1人だったため、めちゃくちゃ頭上で拍手してた。逆最前の楽しみ方がわかったのは大きな収穫。ちなみに帰り道暗すぎて駅までめちゃくちゃ迷って当時一人暮らしのくせに実家の親に電話した。

 

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5月1日 新潟 新潟テルサ

[Da-iCE TWO MAN LIVE TOUR 2022 -REVERSi-]

 

 前回のライブから1ヶ月ぶりのふたり揃ったライブが対バンである。Da-iCEとの対バンライブ。いくさぶライブの時にも思ったがやはり「こちらが呼ばれる側なんだ……」というなんともいえない感覚に襲われる。いくさぶの時と違うのは、こちらはゲストではなく対バン相手だったため、対等な感じがあった。座席が二日前とかにしか表示されない電子チケットだったのはドキドキした。電子チケットに慣れていない。充電とか気になってしかたないし。

 ケミとDa-iCEの関わりを説明しておくと、堂珍さんは花村想太くんとミュージカル『RENT』での共演経験があり、要さんと大野雄大くんはイベントで共演したり一緒に曲を歌っていたりといった親交がある。かわいいのとかわいいの、かっこいいの(というかガタイがいいの)とかっこいいのが仲良くしてるの、あまりにも解釈一致でビビる。公式に頭の中読まれてる? ちなみにこれについてはケミ本人たちも思っているらしく、声が高いのと低いのでバランスが自分たちとDa-iCEは一緒だというようなことをテレビで話していた。わかってんじゃんんっ!

 新潟テルサの最寄駅はJR新潟駅なのだが、そこからバスに乗っても20分かかる。最寄駅の意味とは……。すっかりファンになったRさんと新潟駅で待ち合わせ、寿司を食べたりカフェに入ってゆっくりしたりしてからバスに乗ってホールへ。

 Da-iCEくんは結構ノリノリな曲が多くペンライトを振る曲が多いと事前にレポで読んでいたため、ケミもそういった曲で固めてくるかと思いきや、一曲目がまさかの「why」でずっこけた。「why」はいい曲ですが、どう考えてもオープニングの曲としては暗すぎる。最初の歌詞が「もしこの命が尽きてしまったとしたら もう貴女の声を聞く事も出来ない」ですよ? 中盤ならまだしもなんで一発目の曲がこれだったのか、未だ謎である。

 ちなみに堂珍さんはよくソロライブでこの曲を歌う。あまりにも歌うからRさんとの間で「why禁止令出そう」ということで話がまとまっている。三曲目に歌ったデビュー曲の曲中で要さんが「立て!」のジェスチャーをしてきてありえないほど沸くなどした。

 MCでは普段の自分たちのライブと比べて年齢層が若いといった話をしていた。確かにずっとイヴ・サンローランのモンパリの匂いしてたもんな……だから年齢層が低いと言う証明にはなりませんが それでもケミの現場ではまず自分からくらいしかしない香りだし

 後半のDa-iCEのパートでは、事前にセトリを調べプレイリストを作っていたためノリノリで盛り上がった。今でもDa-iCEの曲はよく聴いており、特にチケ発が思うようにいかなかった時「Breake out」に出てくる歌詞「下剋上いざここから」「勝つまでが勝負」を聴いて自分を鼓舞している。Da-iCEくんたちもまさか他グループのオタクがチケ発のたびに自分たちの曲を聴いているとは思ってないだろう。

 MCで大野雄大くんが「今まで(ツアーの対バン相手)2組はロックバンドだったけど、今日は僕らがずっと聴いてきた人たちのライブ」「オリジナルって誰かの真似から始まって、それを続けて出てきたものがオリジナルになる。僕も(花村)想太もカラオケで何度も歌ってきた。だから僕らにはCHEMISTRYの血が流れている。そんなお二人に恥じないようなパフォーマンスをします」といったことを語っていて、そのあまりにもケミを尊敬している姿勢に感動した。

 ダンサーの一人である工藤大輝くんはオーディションの歌唱披露でケミの「FLOATIN’」を歌ったという筋金入りのケミファンであり、終始テンションがおかしかった。「どうする? 今からCHEMISTRYの好きな曲語るMCやる? 三時間くらいかかるけど……」「(みんなで写真撮ったら)親に送ろーっと! 親も大ファンなんです!」「さっきステージの後ろにCHEMISTRYって出てたじゃないですか? あれもまだ信じられないですもん」とマジのファン発言をしていて印象良すぎ。歌って踊っている間はばりばりのかっこいい人たちなのに、最後の集合写真のところではマジのファンの挙動をしていて無限に大ウケしていた。いい子達だったしパフォーマンスも良かったのでまたライブ行きたい(単純)

 

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ケミログ2022年[This is IKU] [PIECES OF A DREAM]

 やっと2022年のケミログに突入した。今までのことを全て振り返ろうと思い立ったのが2024年1月5日。そこから一気に3年分の記録を書き起こした。それを個別にブログに載せているわけだが、どこで1記事分に切ろうかとか写真をどこに載せようかとかとにかく考えることが多く、なかなか2024年のライブツアーに行き着くことが難しい。早く「」を生きたいのだが……なんせ全通しているのである。そりゃ振り返りに時間がかかるに決まっている。そのため急がずにちまちまとアップしていくことにする。

 

◯2022年1月22日 東京 国際フォーラムホールA

[This is IKU]

 

 最近ではテレビでも大活躍のミュージカル界のプリンスこと山崎育三郎のライブにゲスト出演した。立場的にどう考えてもケミのライブゲストがいくさぶだろ⁉︎ と騒いだのは内緒。ライブは楽しかったけど三時間越え休憩なしなのは先に知りたかったかも。ケミよりもミュージカルに詳しいため、当たり前だがいくさぶの方が見慣れている。見慣れている人のライブに、最近好きになった人が来る、という何とも不思議な空間が爆誕

 先行で取ったのに一階の後方に飛ばされしょぼんとしつつもスカパーのエムオンでの生配信があったためるんるんで参加。いくさぶがずっとうるうるした目でケミを見つめていて、憧れの人を前にするとそうなるよねわかるよ……と思いながら、初めて大学院の研究室に挨拶に行った時のことを思い出すなどしていた。

 このライブはすっかりケミファンになった群馬住みのオタクRさんと一緒に行った。お互いケミのMC中の下の名前呼びに弱く、過去の円盤を見ながらあの円盤は名前呼びがあっただのこれはなかっただの名前呼びについて盛り上がっており、武道館で名前呼びしたら武道館を墓にしようねと約束していたら、いきなり国際フォーラムホールAで「(いくさぶとデュエットする順番は)じゃあ嘉邦から」「かなめ」と名前呼びをされ、無事二人とも国際フォーラムホールAの床になった。終演後東京駅のスタバで墓にするの早かったねみたいな話をしていた。ゲスト出演する系のライブで異様に盛り上がったのはいくさぶのこのライブと後述する同年五月のDa-iCEのライブくらいである。まあ、出演者も込みで好きだからというのもあるが……。

 

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2月23日 東京 武道館

[PIECES OF A DREAM]

 ケミは2021年にファーストアルバムの曲順で構成された第1章、ファンクラブ限定ライブ(同行者は非会員でも可)の第2章、過去作から近年の曲まで満遍なく含まれた第3章という3つのライブをやっており、その最終章と呼ばれているのがこのライブである。デビュー曲をタイトルにしてるのもあって最初が「PIECES OF A DREAM」の新アレンジ版、最後がオリジナル版の「PIECES OF A DREAM」であった。

 13年ぶりの武道館は埋まらないことを想定してか(?)席の半分は潰され、ステージに近いと思われる一階中央がSS席、一階のサイドと二階がS席、それ以外がA席という非常にわかりやすい座席設定になっていた。絶対にSS席に座れると余裕ぶって申し込んだところS席しか当選しなかった。いつも全当してるだろ? おい? 舐めてんのか公式??? とここから席のこだわりがほんのりと出てくる。連番相手のRさんは全然どこでもいいよーと優しい連絡が来たが、どうしてもSS席に座りたかった私は通称LDHおねーさんと呼んでいるTちゃんにローチケの協力を仰いだところ、無事SS席を当ててくれた。速攻でラインギフトでスタバを返送した。感謝してもしきれない。

bubbys.jp

 あまりにも楽しみすぎてちょっといいご飯屋さんにでも行こうかなと、前に一度行ったことがある、サントリーホールの近くにあるアップルパイが美味しいお店に行き、ケミの話やその他共通の話題やそうじゃない話題で盛り上がり、会場に向かった。

 

  武道館に行くのは実はこれが初めてではなく、2021年の春に大学院の入学式で足を運んでいた。2階に案内され座席についた時、思ったよりも遠くないなというのが印象に残っている。だから1階ならもっと近いだろうと期待していた。ファンクラブ先行ではないSS席はもはやS席に近く、当たり前だが段差もないためほとんどが人の頭で隠れていて大画面ばかり見ていた。  

 家のテレビでWOWOWで生配信を見ているのとなんら変わらないのである。それでもその時は、記念すべき二十周年の集大成ライブのSS席に入れた、という思いでいっぱいだった。コロナ真っ只中で開催も危うかったためとにかく中止にだけはなるなという気持ちばかりだった。こうして同じ空間で同じ空気を吸えればいいと心穏やかに見られたライブは後にも先にもこれしかない。

 ちなみに最初に当たって手にしていたS席には母親を招待した。終演後感想を聞いたら「要さんはMCで苦労してるねえ」「みんなどの曲がかかってもわああって嬉しそうにしてたよ」とメールが来た。後者はほっこりエピソードだが、前者は……私の入れ知恵もあるが、初めて生でケミを見た人間が持つ感想もこれなのか、とは思った。確かにMCはこの日もめちゃくちゃだったため反論の余地はないのだが。このMCが嫌いじゃないあたり、私はこの人の子どもなのだということを実感してしまう(こんな部分で?)

 セトリも最高で、一番好きな曲である「It Takes Two」のイントロが流れた瞬間、連番相手のRさんにガン見されたのは今でも鮮明に覚えている。すみません大喜びしていました……。

 最初の方にも述べた通り、私はASAYANのオーディションはリアルタイムで見れていない。それにも関わらず、アンコールで「最後の夜」のイントロが流れた瞬間何故か泣いてしまった。2人組の20年の歩みの大変さを勝手に想像し、勝手に泣いたのだ。

 これは持論でありどこかに書いてあることではないが、オーディション番組で組まされた当時の彼らに未来があったかというと、悲しい気持ちにはなるが、そこまで未来を見越して組まされたわけではなかっただろう。性格も真逆、やりたいことも真逆。そんな二人がここまでやってこれたのは奇跡だと言っても過言ではないと、このライブを見て思った。実際WOWOWで見返したところ、最初の「PIECES OF A DREAM」では二人ともうっすら目に涙を浮かべているのが見えたし、そりゃもう武道館に立てるなんて思ってなかっただろうな、とは思った。

 定期的に武道館に立てなくてもいい。そんなに大きなところでやれなくてもいいから、細々と激戦になりすぎないくらいのキャパの会場でライブをやり続けてほしいなと心から思っている。

 武道館ライブ様子はこの円盤に入っているためぜひチェックしてほしい。セトリも過去から現在までバランスよく入っている。

 

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ケミログ2021年 [This is Chemistry] 東京、福岡公演、[大阪MUSIC LOVER ~Road to 2025~]

 人にCHEMISTRYが好きですというと決まって「どっちが好きなの?」と聞かれる。これはタッキー&翼の場合でもWaTの場合でも同じような現象が発生する。そのたびに決まって私は「真逆なふたりが並んでいるという状況に興奮するので両方好きです!」と元気よく答えるのだが、その返答にいつもお前絶対嘘だろみたいな表情をされる。「そんなこと言って実際はさあ……」などと言ってくる人もいる。これが特殊性癖であることは重々承知しているため傷つくことはないが、まあ理解され難いよな、ごめんな、という気持ちだけはある。自力でなんとか治せるものでもないため、これからも歌が上手い真逆の好き顔と好き顔のデュオを地の果てまで追っかけたい。

 

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◯11月23日 東京 bunkamuraオーチャードホール 

[This is Chemistry]

 今はなきオーチャードホールである。この日は祝日かつ東京だったからか一般のチケットが秒速でなくなり、早めにチケットを譲渡してもらっておいて良かったと心から思った。

 インフルの予防接種をしてからライブに行くのはどうかと思いながらも行ったのを覚えている。なんともなかったから良かったが、読者の皆さんは予防接種をした日はできるだけ家でゆっくりしていてほしい。なんかあると怖いし。この時なんともなかったの、声出し厳禁で強制的に騒げないからというのもあったと思う。

 異常にテンションが高かったため、渋谷109でピアッサーを買い、新たにピアスを開けてからライブに挑んだ。この時は小説家である金原ひとみの影響で異様にピアスにハマっていたのだ。影響を受けやすいチョロオタである。それにしてもマルキューのトイレでピアスを開けるとか大学生*1か? ピアッサーの音は思ったよりもでかくて周りの人たちがちょっとびっくりしていた。自分はよくても他のトイレ並んでる人たちのためにもピアスは家で開けましょう。

 はきはき喋る要さんともちゃもちゃ喋る堂珍さんという対照的なものを見ると大興奮するといった特殊性癖の持ち主なため、この日のMCも大変興奮するものだった。堂珍さんは最後のMCでなんの脈絡もなく突然「今日晴れてよかったです」と言い出し相方を驚かせていた。何の脈絡もない話を始めるの大好き。もっと相方と我々オタクを混乱させてほしい。また、堂珍さんが「話したいことがあるんですけど……話が、長くなるので……時間は限られてて……」とぼそぼそ言い出し、黙って静かに聞いていた要さんが笑いを堪えきれずにいた。そんな要さんは「君をさがしてた」の歌詞である「僕は君をさがしてた」を「君は僕をさがしてた」と歌いかなり強気な面を見せオタクをざわつかせていたし私はめろめろになっていたし、マイクに勢いよく歯をぶつけ差し歯を折っていた。折れたことがわかってからというもの、堂珍さんはずっと要さんに滑舌テストをしていた。かわいい。先生を揶揄う幼稚園児みたい。オーチャードホール幼稚園だったのかもしれない。堂珍さんのほわほわ天然MCに堪えきれず笑い出す要さん、という図もどうやら定番らしい。堪えきれず笑い出した時の表情が優しくてめろめろめろめろ。何度そういう展開を繰り返してきたのか……この堂珍さんが要さんにお世話されているのがたまらないのだ。その光景を見るためだけにライブに通っていると言っても過言ではない。

 このライブが年内ラストケミだと思っていたため、ひとりで鳥貴族へ行きプチお疲れ様会を決行。インスタも初めてなかったのでケミ関連のお友達はRさん以外マジの0です。鳥貴族に着き、貴族のようにいろんな種類を食べて来年もたくさんケミを見るぞー! と決意を固め家に帰った。

 

◯12月3日 福岡 福岡サンパレス

[This is Chemistry]

 これも行く予定になかった。普通にオーチャードで年内最後にしようとか言ってたし。もつ鍋をこよなく愛しているため福岡のご飯は大好きだし、一ヶ月前に北海道にも行っているため距離の問題でもない。タッキー&翼を好きだった時代から仲良くしている、当時LDHのオタク(今は別界隈のオタク)をしていたTちゃんとのラインで「行けるものは行ったほうがいい」「何よりも優先すべき」という話で盛り上がり、後悔したくなくてそのまま福岡行きを決めたのだ。この選択は後悔していない。後悔してなかったらいいんですよ。

 前乗りするために2日から行くことにした。成田空港に着くと、やたら壁にクリスマスのイラストが多かった。癒されるね

 

 到着してすぐ、お馴染みの福岡空港もつ鍋おおやまでもつ鍋を食べた。いくらもつ鍋のおおやまがチェーン店で全国各地にあり、どこも味が一緒だと言われても、私は福岡のおおやまが一番美味しいと信じている。あと空港のおおやまはいつ行っても空いている傾向にあり、入りやすいのも推しポイントだ。あのぷりぷりのもつに、歯応えのあるごぼう、しんなりして味の染みたキャベツ……美味しすぎる。正直3食もつ鍋でもいい。

 

 クリスマス真っ最中だったため、天神のクリスマスマーケットでしこたまホットワインを飲んだりじゃがいもを食べたりしていた。野外だったためソーシャルディスタンスもばっちり。しかし寒い……寒いからホットワインを飲む……だが寒い……飲む……の繰り返しで幸せすぎた。寒いのもいいですね ホットワインをたくさん飲む理由になる

 ホテルまでの帰り道。イルミネーションも街の明かりもどちらも綺麗で、写真をたくさん撮っていた。福岡は街並みがかわいい

 ライブの日の午前はホテルオークラ福岡のアフタヌーンティーを食べた。ひとつひとつは小さめに見えるのにぎっしり中身(?)が詰まっていて、フレンチトーストがそこそこ重たくて幸せの悲鳴をあげつつ完食。

 中洲川端には大きめのドンキがある。そこで初めてずっと気になっていたクライナーを買い、飲んでからライブに参戦。1本は冷蔵庫に入れ、結局2本しか飲まなかったため何も起こらなかった。今度は5本くらい飲んで行ってみようかな。

 福岡サンパレスはとにかく暑かった。外観が古く不安になりながら入ったところトイレがありえないくらい綺麗で感動した。トイレが綺麗な会場はそれだけで好感度が跳ね上がる。

 直前にチケットを取ったため2階席だったのだが、コロナの影響でひとつ空きであることを加味してもがらがらだった。だったら1階の後方にでも下ろしてくれ。腐っても1階だろう。

 MCでは要さんが「とにかく飛行機で福岡に来れて、ちゃんと会場に入れただけでもよかった」「また笑顔溢れる世の中になりますように」と言っていて、感染対策をして東京から福岡に来る大変さを想像して泣きそうになった。数多くのライブや大好きな舞台の公演数が減らされたりなくなったりした1年だったのだ。やれるだけで十分なのに、全てのライブで想像以上の満足度を与えてくれた彼らには感謝しかない。そしてまだ、この時は席にこだわらずライブを楽しめていた。この時にはもう、どう頑張ったって戻れないのだ。しくしく。

 

◯12月17日 大阪 大阪城ホール 

[大阪MUSIC LOVER ~Road to 2025~]

 11月の下旬に発表されたイベント。は? どう考えてもおかしくないか? こんなん大阪住んでる人でも予定立てるの無理ゲーでは? 悩んだ末にチケットをセブンに発券しに行った瞬間から、もうこの先のイベントは何があっても全部行こうと決めた。今思い返すと、これが全通のきっかけだったのだとはっきりわかる。それにしても一ヶ月以内に発表されたからってムキに逆に燃えてないか自分?

 前日までディズニーシーにいた。シーから舞浜駅につき、やっと成田空港までの行き方を調べたところどえらい遠かった。同じ県内であることを疑いつつもなんとか移動。羽田はあんなにもアクセスいいのに、成田って……いや、LCCで安く行こうとしてるのでなんでもないです。いつもありがとうございます。

 この日もテンションが高かったため、会場近くのドラッグストアでピアッサーを買い、近くのデパートで新たにピアスを開けてからライブに挑んだ。東京の時と同じく、やはり周りの人が音にびっくりしていた。良い子は真似しないように 家で開けましょう

 このイベントではノベルティで使いやすい色のマスクが付いてきたためありがたく使わせてもらった。コロナ禍でも安全にイベントが開催できますよという例か何かとしての開催という側面もあり、ワクチン接種証明の写真か、何時間以内かに検査して出た陰性の証明書の写真を見せることで入場できるというなかなか画期的なイベントだった。どうやらLDH系もやっていたらしい。やはり動員人数が多いアーティストが率先してやっていたのだろう。

 大阪万博のイベントの一環として開催されたため、いきなり吉村知事が登場してかなり会場が沸いていた。テレビで見てもかっこいいなーとは思っていたが、生の方がもっとかっこよかった。吉村知事のおっかけって存在しそう いますか?

 ケミは会場の熱を一気に上げるためかトップバッターだった。定番の曲ばかりだったが、広い大阪城ホールでちみっと寄り添って歌っていて愛おしすぎた。それだけで10000万点。このあと四時間近くあったが、以下の通り楽しめたため一瞬だった。

 コブクロ大阪万博のイメージキャラクターをしているためかオタクが熱心すぎるのか二人の出身地だからなのか、すれ違う人すれ違う人みんなコブクロのTシャツやタオルを身につけていた。この時はCHEMISTRY、瑛人、スガシカオflumpoolコブクロというかなりアツい人選だった。特にflumpoolは世代であり「星に願いを」のイントロで爆盛り上がりになり全力て手を振っていた。flumpoolコブクロに憧れていたのは初耳。コブクロは「君という名の翼」を歌っており、レガッタじゃん青春すぎる! とまたテンション爆上がり。スガシカオは「黄金の月」を歌っていて、この曲あまりにも堂珍さんが好きそうだな……と思って聞いていたら、堂珍さんのソロライブ定番曲になった。好きな曲を見抜くな

 最後に別件で会場を出ていたスガシカオ以外の全員でコブクロの「sakura」を歌う時、コブクロが「僕ら二人組はふたご座流星群みたいなものだね」というようなことを言い、コブクロに足を向けて眠れなくなった。二人組ならではの共感できるポイントもいくつかあるのだろう。ありがとうコブクロ

 ピーチもクリスマスをしてくれていた ほっこり絵柄すぎる

 

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*1:大学院生は学生に入りますか?

ケミログ2021年 [This is Chemistry] 高崎公演、札幌公演

"CHEMISTRY"の名は、ふたりのヴォーカリストが生み出す「音楽的化学反応」に由来する

 これは『CHEMISTRY in SUNTORY HALL〜響〜』のライブDVD内でのグループ名の紹介文である。「音楽的化学反応」という言葉自体かっこいいから「音楽的化学反応」って名前のグループ名、全然アリだ、と円盤を見た時に思った。どうですか? 最近やたら「化学反応」という文字を使ったグッズを出してるし、漢字のかっこよさに気がつき始めてるのでは?

 というのはさておき、今回は2021年10-11月の[This is Chemistry]高崎公演、札幌公演を振り返っていくことにする。

 

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◯10月16日 群馬 群馬芸術劇場大ホール 

[This is Chemistry]

 群馬の高崎にはこの年の5月にミュージカル『スリルミー』を観るため訪れていた。その時は1階のスタジオシアターだったため、大ホールに入るのはこれが初めて。

 この地には2024年で8年くらい付き合いのあるオタク友達であるRさんが住んでいる。彼女に「今度群馬にケミ見に行くよ」といった連絡をしたところ、なぜかその人もライブに来ることになった。チケットがまだ一般発売で残っていたし近かったらしい。近いってだけで曲をほぼ知らないのにライブにくることってあるんだ。あとはケミが一般で取れるアーティストでよかった。曲が上手いのはもちろんだけどMCがめちゃくちゃ面白いよ、という私の与えた偏った知識を持って参戦したRさんはその日見事にケミを好きになっていた。面倒見のいいお姉さんであるRさんには私のあらゆる部分を曝け出しており、よく連番をしたり、ご飯を食べたり鑑賞会をしたりと、私のオタク活動をする上で最もお世話になっていると言っても過言ではない。この場を借りて感謝申し上げます、これからもよろしくお願いします。

最後の曲のラスサビ後にばばんっと出てくるのがかっこいい

 高崎ではブルーレイの収録があった。この時期はまだコロナ全盛期(という表現が正しいかはわからないが)だったため、演者や関係者が感染しこの先の公演がなくなることを懸念しての早めの収録だったのかもしれない。参考として、第一章「The Way We Are」のブルーレイ収録は第一章オーラスの愛知だった。

 この日はとにかくいいこと尽くしだった。まず「Two As One」の一部分が高音で歌唱された。この曲は元々ケミとCrystal Kayの3人での歌唱曲であり、ライブでは歌詞を二等分して歌っている。「君のこと知りたくて」はCrystal Kayのパート「幾つも言葉探しても」は堂珍さんのパートなのだが、ここでは全部堂珍さんのパートになっていた。立川公演や過去のライブ映像では下げて歌っていたここを、なんと全部高音! 私は堂珍さんの声は高ければ高いほどいいと思っているオタクなため、この時点でテンションが爆上がりしていた。

 それからMCがありえないほどおもしろかった。この年でデビュー20周年と聞いていたのに、堂珍さんがアンコールの存在をうっかり喋るというデビューして間もない新人がやらかすようなミスをしていて死ぬほど笑った。ちなみにミスをした堂珍さんの隣で要さんが笑い転げていた。平和な空間である。恥ずかしくなったのか堂珍さんが「ここはカットで」と言っていたが、あとからブルーレイを見たがここだけでなく全てのMCがカットになっていた。

 公式は早くMCだけを集めた円盤を作ってくれ。MCに需要があることに気がついていないらしい。なんだよ。最近はようやく顔面に需要があることには気がついたらしく、グッズを出し始めているのに。

スタバの一番あっさりしてるフラペチーノ

 この時は気合を入れてライブに参加するため、信頼しているネイリストさんにChemistryのロゴを手描きで入れてもらった。かなり大満足。これ以外にも何度も名前を入れてもらったりモチーフネイルをしてもらったりしているため、順次紹介していきたい。本当に天才って存在するので。

 

◯11月2日 北海道 カナモトホール

[This is Chemistry]

 まだこの時はライトなファン(オタクでもない)だったため、当初この公演に行く予定はなかった。大学院は出席すべき授業は少ないが、ほぼ全てが必修科目である。当時必修科目が水曜日にあり、11月2日は火曜日であった。この時のライブはは18時半開演。普通に行けそうになく諦めていたところ、公演の一ヶ月前くらいに11月3日の水曜日が祝日であり授業がないことがわかったため行くことになった。正直このあたりから「よーし、どこへでも行くぞー!」という気持ちが芽生えていたのかもしれない。ちなみにこの時点ではオーラスの福岡に行く予定は全くなかった。ほんとうですよ?

えびそば一幻

 初めてえびそば一幻のラーメンを食べた。普段自発的にラーメンは食べないが、えびと聞いたら話は別である。えびの味が濃くて気持ち悪いなどという口コミを見かけたが、お寿司屋さんに行けばえび全種を食べ、朝ごはんにかっぱえびせんを食べるくらいのえび好きにはちょうどいいえびの濃さだった。ちなみに美味しすぎてもう一度食べて帰ろうとしたがフライトの時間が早くて断念。しかし諦めきれず、新千歳から成田に戻りそのまま押上にあるソラマチに直行。ソラマチのえびそばを食べることができた。えびにをかけすぎている。

 ちなみにネイルはいつもお願いしているお姉さんにやってもらった。これはケミの5周年のベストアルバムについている犬を簡略化したグッズのデザイン。かわいいですね

ショコラティエ マサール

 塩辛いものを食べた後は甘味。ムースグラッセが美味しくて来るたびに食べてしまう。甘党大歓喜。味は2種類あり、トッピングも選べる。組み合わせ無限大。アイス以外にもチョコレートもめちゃくちゃ口溶け良く最高に美味しかったのでおすすめ。

エアターミナルホテル シングルルーム

 この日は新千歳空港直結のエアターミナルホテルに泊まった。北海道のことを変な駅で降りたら一生家に帰れない土地だと思っている私にとって、このホテルは北海道版自分の家である。寒さ対策に分厚い上着を持っていったが、新千歳空港内のホテルからほぼ駅直通カナモトホールにしかいかず、観光も新千歳空港内をぶらぶらするだけというお手軽な観光をしてたため一度も使わなかった。北海道に寒さ対策が必須かと聞かれても必ずしもそうだとは答えなくなった。泊まる場所と会場によってはほとんど寒さを感じなくて済む。

 立川でも群馬でも途中で立ち位置の入れ替わりがあったが、この時はなかった。堂珍さんがマイクで転けそうになっていたからだと思う、とメモには書かれている。堂珍さんを幼い子、要さんを保護者だと思いながら見ていたのがよくわかる。MCで堂珍さんが「20周年20周年ばっか言ってますけど!」と言っており、20周年ライブなのだからそれでいいだろうと思いながら聞いていた。やはりおもしろい男たちである。

 ケミって、神が、人間が奇跡を目の当たりにしたらどんな反応をするかの実験をするために生み出したんじゃないかと本気で思っている。この奇跡というのはハモリのことです。美しすぎるハモリを聴いた人間が涙したり笑顔になったりしてるのを、ステージの袖とかにいる神がにまにましながら見つめてそう。いい趣味した神だな。音楽の神とかかな。これからもケミのこと幸せに導いてよ、音楽の神。

帰りに乗ったピーチ 色かわいいね

 

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ケミログ2021年10月8日 [This is Chemistry] 立川公演

 2024年で26歳になる私はCHEMISTRY(以下、ケミ)の全盛期を知らない。とはいえデビュー時に生まれてはいるためどこかしらで見たり聞いたりはしているはずだが、幼少期の私はというと、姉の影響でミスチルを聴くか周りに流されてジャニーズ(嵐、KAT-TUNなど)を聴くかということしかしていなかったため、次に挙げる定番の5曲のみしか知らなかった。

PIECES OF A DREAM

Point of No Return

You Go Your Way

・君をさがしてた

My Gift to You

 なぜこんなに英語のタイトルばかりなのか。とはいえ、タイトルを知らなくてもどれもサビを聞けばわかるレベルの知名度である。私もここだけは知っていた。

 ケミを好きになった経緯はというと、2021年9月に日生劇場で上演のミュージカル『ジャックザリッパー』をミュージカル界の推しである田代万里生の影響で観に行こうとしていたところ、八月に公開された制作発表の動画で好きな顔面を発見してしまった。タイトルロールであるジャック役の堂珍嘉邦である。年上の顔面が可愛い男がこよなく好きだというのは万里生さんが好きだという点でバレバレではあるが、その流れでまた違った萌えの顔面を見つけてしまったのだ。ちなみに万里生さんと堂珍さんはこの後、ミュージカル『アナスタシア』でグレブ役のトリプルキャスト(もう1人は海宝直人さん)をやり、しかも『スリルミー』とも被っており、チケ取りを大いに悩ませた。あの時はほぼ池袋と渋谷に住んでた。

 ケミストリーという名前もぼんやりとは知っていたが、この人がメンバーだったのかというのも制作発表の時に知った。確かもう何人かメンバーがいたはずだと(何人か、と言っている時点で二人組であることも知らなかった)検索をしたところ、全くタイプの違う男、川畑要が出てきたのだ。可愛い系とかっこいい系というタイプの違う男二人が並んでいる。こんなの好きに決まっている。逆に、川畑要という相方がいなかったら、堂珍嘉邦のことはどれだけ顔が好きでも追っていなかった。これは断言できる。気がついたら流れるようにその年の10月にある立川でのケミのライブのチケットを取っていた

 余談だが、私は不思議なことに全ての二人組のアニバーサリーイヤーにハマっている。タッキー&翼は2011年の10周年の時、WaTは2015年の10周年の時(メジャーデビューから数えて)、そしてケミが2021年の20周年の時だ。そのためどのライブに行っても、古くからのファンである、いわゆる古参であろう人たちが長い歴史を噛み締めている姿を多く観測することになる。

 立川からスタートしたライブ[This is Chemistry]は、ハマりたてであったためぼちぼちしか行っていないが、それ以降のライブはソロも含めほぼ全通している。ほぼ、というのは後述。初めて生のケミを目にした日のライブから、順を追って振り返っていくことにする。ライブの内容というよりもライブに行くまでの話と余談の方が長い。

 なお、ケミログを書き始めたのが2024年1月5日であり、その月からの情報は当日か翌日には書いている。過去の出来事に関しても、リアルタイムにメモを残す習性があるためそのメモを参考に書いている。マジで情報が少ないライブの時はメモを残すのも億劫なくらい疲れている時のため、疲れていたんだなと思ってもらえると助かる。ほんまごめん。今年の目標はどれだけ疲れていてもメモは残す、です。

 そしていつかこのケミログを同人誌として紙にしたいと思っている。

 

 ケミにハマりたての頃と現在との自分について、少しだけ補足をしておく。2021年から2023年神奈川県の山の上にある大学の大学院でミュージカルの研究をしていた。そのため授業にも出席しなくちゃならなかったし、発表も課題も多く、移動中にひたすらレポートや論文を書いていた。大学の時はあんなにも余裕を持って課題を終わらせていたはずなのに、大学院に入ってから追い詰められないとやれない身体になってしまったのはなぜなのか。まあ家のベッドの上と移動の電車や飛行機の中なら後者の方が捗るのは事実だし無事卒業もできたのでよかったのだが。

 ちなみに2021年はまだコロナの時期であったため、たまにリモート授業があり、空港のスタバからリモート授業を受けていたこともあった。あの時の小説家の先生へ。周りがざわざわしていたのはスタバのうるささです。

 

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◯2021年10月8日 東京 TACHIKAWA STAGE GARDEN 

[This is Chemistry]

 ケミが揃った姿を初めて見た記念すべき日である。

 この会場がそこそこよろしくない評価を受けている事実を知らないまま行ったのは、私がミュージカル『テニスの王子様』(以下『テニミュ』)と『ハイキュー』に通っていた時に足を踏み入れたことがなかったからだ。今はどうやら『テニミュ』でも使われているそうですが。その評価を知ってたらもっとぎゃあぎゃあ言っていたはずだが、段差がないという情報のみで見に行くことになった。まあ見ずらかった。体育館やないか。いや体育館というか倉庫? 今冷静に考えたら悪口が結構出てくるが、見やすさどうこうよりも新規ハイだったため一階後方という僻地であっても十分に盛り上がることができた。

 恐ろしいことにこの時のセトリの中で知らなかった曲が1曲だけで、予習しまくっていた自分を褒めてやりたくなった。ほぼ全曲をApple Musicでひたすら聞いて予習していたからである。唯一知らなかったのが「遠影」で、理由が著作権か何かのアレで配信されていなかったからだ。ライブ後に速攻でCDを買い聞いたが、無事好きな曲トップスリーにランクイン。ちなみに1位は「It Takes Two」2位は「YOUR NAME NEVER GONE」である。

 堂珍さんのことはミュージカルで観ていたため、また可愛い顔面が見られるの嬉しいなくらいにしか思ってなかったが、要さん(こちらだけ名前呼びなのは癖なので特に意味はない)を生で見るのにとにかく緊張をしていた。好きになったことのないタイプの人間だったからである。ヤンキーやんちゃな人を推しにしたことがない。唯一彼を観たことがあったのが、向井理主演のドラマ『ハングリー』であり、鍛えられた腕に彫られているタトゥー丸出しのいかつくて怖いお兄ちゃん、という印象しかなく、今後生きていく中で絶対好きにならなさそうな人間だなあと子どもながらに思っていた。

 だが生で見た瞬間そんな緊張はふっとんだ。2人並んでいるのである。ふたり、しかも片方は雰囲気ほわほわ、もう片方は雰囲気おらおらである。体格も細いのと鍛えているの、声も高いのと低いの。最高である。真逆の2人組万歳。二人組厨の血が騒ぎまくる。沸騰祭りである。これはもう一生ついていく。

 そういえば後ろの席の男女4人組のうち1人が開演前に「あたし声がでかい人が好きだからさー川畑さんが好きなんだよねー!」とどデカい声で叫んでおり、1人だったにも関わらず爆笑してしまった。今だにすべらない話として会う人会う人に話している。

 ライブの全体的な感想はというと、いい意味でめちゃうまいカラオケを聴いてる余裕さがあった。要さんがが想像してた100倍の声量と迫力だったし、堂珍さんに関しては、砂糖のような、ベタベタに甘い声で溶けそうだった。場を支配するでも包み込むでもなく、ただただゆっくり溶けていきそうなものを見せられている不思議な感じ。

 歌声について堂珍さんについての記述が多いのは、ミュージカルの声と全く違っていたからである。とにかくびびっていた。これは何があったかというと、ミュージカル『ジャックザリッパー』のジャック役は低音の歌が多かったのだ。ジャック役をやるにあたって、堂珍さんは演出家の白井晃さんに一声目で堂珍嘉邦とバレないようにしよう、といったことを言われたとインタビューで語っており、その通り彼の持ち味である高音を封印し舞台に立っていた。公演期間中だったため多少なりともその低音での歌い方が残っているかと思いきや、自分のメモを引用すると「砂糖みたいなベタベタに甘い声」で歌っていた。歌い分けの天才である。

 さらに歌だけでなく、MCがありえないほどおもしろかった。ここから私の「歌が上手いのはわかったからMCを収集するために全国に行く」という目標が生まれてしまったのだが。

 こうして「ケミストリー、一生追うぞー!」という決心を胸に私は会場を後にしたのだった。

 ちなみに立川でのライブの翌々日、『ジャックザリッパー』の大阪での千秋楽公演があり、終わってすぐ立川駅までガンダし乗りたかった電車に飛び乗り成田空港へ向かい、第3ターミナルで夜を越した。あまりに慌ただしかったがこの後のほうがより過酷になっていくため大変だったなーという思いはすぐに薄れることになったのだが。

幸せのパンケーキ

 これは『ジャックザリッパー』大阪公演前に大阪の堺駅で食べた幸せのパンケーキ。フルーツもりもりでかわいいね ここはロールケーキもふわっふわで美味しい

 

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コロナ禍のコンサートにおける俳優の「ぜひ劇場に足を運んでください!」に対する違和感

 


8/29
30に行われたホリプロ所属の4人の俳優が行なったコンサート

THE MUSICAL BOXWelcome to my home〜の配信についてのただの所感と願望

 

値段に見合う曲数じゃなかった、ほぼトークショーだった、いつもと違うパンフレットだからよくわからん、配信の見方がめんどう等々あげだしたらきりがないくらい不満や問題点はあるが、今回は挨拶のみに焦点を置いて書いていこうと思う。

 

俳優の発言は一字一句合っているものではなくニュアンスです。読んでいると勘付く方はいると思うが発言した俳優個人の名前は批判が殺到することを防ぐため出さないのであしからず

 

 

 

◯今回の配信について

 俳優たちの配信で見ている人たちへの配慮があまりにも足りていなかった。今回の配信の対象はおそらく劇場に普段こない人ではなく普段から劇場に通っているけどこの状況のせいで来られない人だ。コロナのせいで県を跨げない人、申し込んだけど座席数が半分になったことでチケットを取れなかった人といった、自分たちの力ではどうにもできない人たちが見ていたと思う。私の知り合いもこの公演ではないが、県を跨ぐと会社をクビになりそうで怖くて行けないと嘆いていた。

 

 

◯何が違和感だったのか

 両日、配信を観ている人向けに俳優から「ぜひ劇場に足を運んでください!」といった内容の挨拶があった。言葉は違えど、来てない人たちに来てほしいといったニュアンスの挨拶だ。

 そもそも今回の配信は2.5次元ミュージカルや宝塚の舞台のようなコロナ禍以外でも行なっている千秋楽のライブビューイングとはわけが違うチケットの倍率が高くて取れなかった、生の舞台は高い、生で観たことはないけ気になっていたからといった理由で観に行く人が多い公演の千秋楽で俳優や生徒が「いずれ生で観てみてください!」と発言する分には問題ない。

 

 繰り返すが今回は状況が違う。首都圏に住んでいないから、首都圏にいても家族がいるから外出できないから、申し込んだが感染対策のため座席が半分で当たらなかったから、といった理由で仕方なく諦めたファンが大半だったであろう。妥協だと言っても過言ではない。普段劇場に足繁く通う層が俳優に「劇場に来てください!」と言われても「いや普段なら行ってるよこんな状況だから行けてないの察しろよ」と思うだけである。そのためコロナでなければ、座席が半分でなければ行けたのにという悔しい気持ちを増幅させる要素にしかなり得なかったのだ

 

 

◯その他の気になる発言

 「コロナのおかげでコンサートができた」「これからの世代にコロナのこのような状況があったということを伝えられると思うと少しわくわくする」といった、一見ポジティブに聞こえるけど全く救いになっていないような発言もあった。「これから舞台はきっと戻る」は希望のような言葉に聞こえても、行けなかった側からすると座席数は少なく完全でなくてももうすでに多少戻ってるのにそれでも行けないなんてと悔しい気持ちになる人もいると考えられる。また、「劇場に来てくださった方々だけにもう1曲あります」についても来られなかった人向けの配信と名を打っているのであればアンコール含め全てするべきではないかと現地にいても考えてしまう

 

 

◯どうしたらよかったのか?

 シアタークリエや帝国劇場、博品館劇場やシアタードラマ シティといったいくつかの劇場が生配信やアーカイブ配信を成功させたために、同じようにホリプロも成功させるとばかり思っていた。しかし結果、ここまで不満が残る公演になってしまった。

 今回ホリプロが明確にすることかできなかったことは、普段通っている人がなぜ来られなかったのか、誰に向けての配信なのかという対象であるといえる。商品が流行る理由に対象がしっかりしているという点があるのと同じように、普段やらないこと、今回であれば日生劇場初の試みである配信をなぜ行うことになったのか、生で届けることが最も大切だと思っている出演者や製作側が配信をせざるを得なくなったのかについて考えていればファンがここまで落胆することはなかった。配信を観たくて配信にした人よりも、生で観られない寂しさを配信で補完した人たちに寄り添うことができる発言が多ければ救われたのではないかと思う

 

 

◎最後に

 2日目の千秋楽で「劇場に来るという勇気もあれば、配信を見る勇気もあったと思う」というような内容の挨拶があった。この配信を選んだ人たちを気遣うようなコメントは、実際に配信を観ていた人だけでなく、劇場に足を運んだ人も救われたであろう。この発言をした俳優以外、果たして今のこのコロナという状況の大変さ、ファンの劇場に行けないという悔しさを理解していたのか疑問が残る。

 少しカルトチックではあるが、この未曾有の事態が続いている日常に救いを求めている人は私以外にもいるであろう。俳優や製作側がファンがいないと成り立たないのと同じように、俳優がいないと自分の大切な部分が成り立たない人間は少なからずいる。そのような人たちが救われるような配信、発言が増えることを切に願っている。